薬剤師の仕事
薬剤師という職業は、一言で言えば薬剤のプロフェッショナルですが、そもそもこの薬剤というのの定義の幅も広く、仕事の幅も複数に分かれています。
まず、代表的な薬剤師の仕事として考えられるのは「医薬品」に関係する業務です。
この場合職場となるのは病院や調剤薬局、ドラッグストアということになるでしょう。
病院や調剤薬局の場合には、医師が発行した処方箋を元にして医薬品を処方することになります。
ただ、これも処方箋通りにそのまま出せば良いというわけではありません。
例えば患者さんが使っている他の薬との併用禁忌がないかどうか、あるいはアレルギー等によって副作用が発生する可能性がないか、というようなことも考慮し、適切な薬を選択して処方しなければなりません。
「薬によるミスが発生しないようにするための最後の防波堤」としての役割が医薬品系の薬剤師にはあるわけです。
こういった直接医薬品を取り扱い処方する仕事以外には「製薬会社」などでの業務が考えられます。
その業務内容も幾つかに分かれており、代表的なものとしてはMRや、学術業務が考えられます。
MRとは自社の医療製品を医療現場に対して営業し、購入してもらう医療営業のことです。
一般職における営業職と同じように、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も必要である上、当該の器具や医薬品についての詳しい説明が出来るだけの知識も当然必要となります。
「学術業務」というのは、世界に発表されている医薬品の論文を読み、社内で利用できるようにローカライズする仕事です。医薬品の論文というのはその多くが英語で執筆されており、そのままでは読むことが出来ません。さらに当然ながら医薬品に対する専門知識がなければ読むことが出来ず、英語の読解力と医薬品の知識の両方を持っている必要が求められます。
学術業務では主に翻訳業務を中心とするため、座って仕事をすることが出来る、薬剤師にしては珍しい腰に優しい仕事でもあります。
以上、3つの職種を紹介しましたが、どの業務に携わっていても薬学は発展し続けるため、人々の健康を守るために学び続けることが必要不可欠です。
そこで全国には薬剤師会という職能団体が存在しており、知識向上のための研修や実習、それだけでなく市民に健康を働きかけるキャンペーンが行われています。
特に神奈川県の薬剤師会は活動が活発と言われており、処方箋がなくても相談ができる『くすりと健康相談薬局』や非常勤講師として学校で環境衛生活動や薬物乱用防止教育などを行う学校薬剤師の派遣など様々な活動が行われています。
わが国の薬学、薬剤師の歴史におけるリーダーとして、現在も最も活発な活動を続けている職能団体のひとつです。
神奈川県薬剤師会
地域活動に貢献したいという薬剤師にオススメの地域とこちらの求人サイトにも紹介されていますが、地域の人々の健康を維持し、毎日の暮らしを豊かにするためにということを指針とし働いている薬剤師は多いでしょう。
薬剤師になるには
では、薬剤師になるにはどのようなことが必要になるでしょうか?
薬剤師は国家資格である「薬剤師免許」を取得していなければなることが出来ない専門職です。
そして、この薬剤師免許の試験を受けるためには薬学部や薬科大学などの専門の学校を単位を取得の上で卒業していることが必要となります。
これらの大学は通常の大学よりも長い6年の就学が求められることになるため、必然的に実際に仕事に就くまでの期間は長くなります。
国家試験自体の合格率は70%から90%と高く、一見すると難易度は高くないように見えますが、実際には薬学部や薬科大学が厳しい卒業試験を課しているため、そもそも合格出来ない見込みの人が卒業出来ないようになっていることが原因です。
そのため、その上でも30%もの人が不合格になる可能性がある、厳しい試験であると認識したほうが良いでしょう。
薬剤師に向いている人
薬剤師となるのに向いているのは、やはり「向上心がある人」です。
学術業務のところでも少し触れましたが、医療や薬学というのは常に進歩しています。
そういった中で、ふるい情報だけしか持っていないようでは新しい薬品についていくことが出来ず、仕事が成り立たなくなってしまいます。
業務とは別に医薬品についての勉強を進めていく事ができなければなりません。
また、人の命に関わる事が多い仕事でもあるため、「責任感がある人」であることも求められます。
実際、薬剤師のミスによって死者が出てしまうようなこともないわけではありません。(このための保険もあります)
これらを考えて仕事が出来れば良いでしょう。