技術士の資格とは
技術士とは1つの業務にとどまらない、幅広い分野で活躍するエンジニアが取得する資格です。
その分野は多岐に渡り、機械部門、船舶・海洋部門、航空・宇宙部門、電気電子部門など、21部門もの数の分野で高い専門知識を持つと国が認めた人が持つことができるのです。
つまりそれぞれの専門分野における国家資格であり、試験は技術士法と呼ばれる法律にのっとって実施されます。
医師免許なら医者というように業務内容が決まっているわけではなく、国家試験にパスして技術者として登録した人だけが名乗ることが許される、名称独占資格の1つです。
技術士の資格取得でなれる職業
実は、技術士の資格保持者だからと言って、その人にしかなれないという独占的な仕事はないんですね。
あくまで名称独占資格であるために、技術士と名乗ることができないということです。
技術士の資格を持つということは、ある一定レベルの高い技術と知識を持っているという証明になりますので、企業内におけるコンサルタントやアドバイザー的な存在になることができます。
あるいは、企業に務めた後で独立をする技術士もいて、自分が得意とする分野で顧客のニーズに合わせて技術士としてのコンサル業務や技術指導、業務の品質や効率における改善のアドバイスや、進行や監理なども担うようです。
技術士の資格の魅力
これだけ難関の技術士の資格を取ったら、技術業界で効力を発揮するのではと期待してしまいますよね。
ですが実際には、就職や転職のときにこの資格があるからと優遇されることはあまりないようです。
ですが技術士の資格は技術職に従事している人ならその難易度を知っていますので、取得していれば理系や工学の分野で一目置かれることは間違いないですし、技術士に対する信頼度はハンパないものになるでしょう。
特に技術士としてコンサル業務をしたい人にとっては、やはり取得しておいた方が有効な資格と言えますよ。
技術士の資格の取り方
技術士資格の試験には一次・二次試験がありますが、一次試験を受けること自体は受験資格を必要としないので誰でも受験が可能です。
つまり、受けようと思えば小学生でも受験することはできるわけです。
ですが、その後の二次試験を受験するためには、なんと一次試験合格後、原則7年の実務経験が必要になるというから驚きです。
ただし、一次試験前にすでに実務経験がある、あるいは大学院卒といった条件により最短2年まで短くなるケースもあります。
一次試験に合格したら、技術士補の登録を済ませ、指導を受ける先輩技術士の下で実務経験を積むことになります。
二次試験には面接試験もあり、加えて択一式問題と論文までありますのでなかなかハードルが高くなってしまいます。
技術士になるには、長期スパンで計画する必要があるため、エンジニアを目指すという方は、事前調査をしっかりしておきましょう。